悲しい出来事

カレンダー造りもおおよそ出来上がってきた。
毎年なぜか自分の誕生月の1月が、最後迄決まらなくていけない。


新潟に来てすぐの夏に地形図を持って、折りたたみ自転車を車に積んで、ある丘陵地を訪れていた事がある。
その丘一帯がブドウ畑になっていて、何度か訪れるうち道沿いにあるブドウ農家からブドウを買ってみた。
そのブドウ農家さんの親しみ易い人柄もあり、おいしいブドウと見晴らしの良い景観を求めて、夏に度々訪れるようになった。

今年になって久しぶりに行ってみた。
麓に車を停めて徒歩で丘を登った。
丘には細い小道が沢山あり、道の両側には草が生い茂り、樹には葛が絡み付き青々としていた。
散歩をしながら回り道でブドウ農家に向かっっていると、ブドウ棚のブドウが一面枯れているところがあった。
妻とどうしたんだろう?とはなしながらブドウ農家へ着いた。
農家さんにブドウが欲しいと伺うが、見ての通り何も無いと言われて少しがっかりした。
農家さんが指を指してこの通りだというので見ると、小屋の前にあるブドウ畑のブドウの樹が枯れていた。
話を聞くとある日ブドウの芽がしなだれて、その後枯れ始めたのだが、しなだれる前日に貯水タンクから水を汲んで、ブドウに水を撒いた事。
おかしいと思い調べてもらうと除草剤の成分が検出された事。
近所の農家で除草剤が盗まれた事など話してくれた。
来年の春にブドウの樹の苗を植えても収穫出来るのは3年先だと言っていた。
誰が何の為にやったのかは知らないが、誰かもわからない犯人に憤りを感じた。


ブドウ栽培は、もう止めようかと思ったけど、悔しいのでまたがんばると聞かせてくれた。
三年後また来ますと言って去った。
草や葛に覆われて青々とした大地に、ブドウの枯れた葉っぱが風に吹かれてカサカサと鳴っていた。