この季節

相変わらず、雪のある斜面を探して、山に行っている。

今行っているのは、標高400mくらいの峠道、1週間前は通れなかったところが、通行できるようになった。

車道のすぐ脇に車を停めて、絵の具と画面(紙を貼ったパネル)を取り出す。

画面に適当に絵の具を盛る。

雪の斜面が汚いので、表面をスコップで削り白い雪を出す。

そして絵を雪の斜面に滑らせる。

滑らせた後、雪面に残った雪を削り取り、別の画面に盛る。

それでもまだ絵の具が残るので、出来るだけ回収して、バケツに入れて、自宅に持ち帰る。

この季節は気温が高いので絵の具と絡んだ雪がすぐに溶け出す。

この溶けている時が鮮やかで、とても美しい。

勢い付いてどんどん溶けていき、ある程度したら落ち着き、午前中には動かなくなる。

それらを車に積んで山を降りる。

 

完全に乾いた作品を見るとあの鮮やかさが無く、落ち着いてしまう。

またあの鮮やかな瞬間を見たくて、絵を雪に滑らせるのかもしれない。

 

今シーズンはもう終わりかもしれない、と思いながらもあと1回ぐらい出来たらいいな。

5月11日雪の絵、雪が溶けて流れ出す。