今週末は実家に帰り、豊田市美術館で開催中のゲルハルトリヒター展を観に行った。
リヒターの作品には興味があり、画集も持っている、何年か前の川村記念美術館での展示も見に行った。
なのに、この作家がなぜリアルな具象画から抽象画に移行したのか、その後多数作られる抽象画はどんな意図で制作しているのか、等々、とても大切なところを知らないでいた。
それくらい、本を読んで確かめれば良いのだが、その機会を持つことも無く、絵もなんとなく観ていた。
今回の展示は日本では16年振りの展示だというので、もう観る機会も余りないだろうと思い、観に行くことにした。
早朝に新潟を出発し、長岡辺りでは雪がぱらついていた。
十日町まで来ると晴れて、道中素晴らしく良い天気で気持ちよかった。
翌日も快晴、実家の庭にある盆栽の蝋梅が、陽光を思う存分浴びて、黄色い蕾を膨らませていた。
毎日どんよりしている新潟ではあり得ないことだ。
展示に行く前に、近所に住む叔父夫婦を訪ねると、叔父達も美術館に行きたいという事で、一緒に見に行った。
叔父達は障害者で、付き添いが必要だった。
叔父達を見つつ、絵も見る事になる。
意気込んで絵を見ないところが、逆に良かった。
美術館のスペースが大きくて、美しい。
そこに初期の作品から、つい最近の作品まで、具象から抽象から、映像作品と色々な表現の作品が、気持ちよく展示されていた。
偉大な作家もいろんな事に悩みつつ、新たな表現を探していたんだな、あるいはチャレンジしているんだと感じ取れて、勉強になった。
叔父夫婦も絵を堪能したようで、喜んでくれた。
叔父達を家まで送った後、山に登った。
山は乾燥して、落ち葉がカサカサしていた。
見晴らしの良い頂上からの、夕陽が美しかった。
明日もよく晴れそうだ。