道の跡

今週は月曜日に折り畳み自転車を車に載せて、米山の集落を訪れた。
9年前に発行された国土地理院の地形図を便りに、地形図をに記載されている徒歩道を辿る事にした。
誰も使わなくなった道は草や木に覆われていた。
それでも道の痕跡を探しながら、時々自転車を担いでようやく車道に抜けられた。
以前あった道も人の往来が絶えると、道が道でなくなるんだと体感した。
今日は月曜日の続きで、妻とまた米山を訪れた。
今回はしっかりと道が続いていると思い、ある道を選択した。
妻とけんか気味で、二人で会話も無く歩いていた。
途中からだんだんと草むらが激しくなり、行く手を阻む木や草の間をくぐりながら進んでいった。
草の至る所に毛虫がついていて、しまいに何度か道を失った。
こんな状況にも、妻は文句も言わずについて来てくれた。
イノシシの足跡のある、クルミの木の木陰で軽く休憩して、その間にぼくは草むらをかき分けて道を探索しに出かけた。
実際の地形と地形図を手がかりに歩き回り、草むらの隣の林の中に道の跡を探す事が出来た。
それから薮の中を進んで、ようやく目的の集落の田んぼが見えた時はうれしかった。
安心感からか、なんとなく会話が流れ始めた。
田んぼの畦にはきれいな水が流れて、小鳥のさえずり声が美しかった。