毎日妻が、公園でコナラの木の、ドングリを拾い集めている。
それを袋詰めにして、玄関に2袋置いてある。
言伝で、山に行く時は熊の居るところに、どんぐりを置いて来て欲しい。
ということらしい。
一昨日は、昨日ギャラリーが休みなのでので、明日の休日はどう過ごそうか、ダラダラ考えていた。
漫画を少し描き貯めよう。だとか、掃除をしなくちゃあいけないなあと、ギャラリーで考えていた。
それが、昼過ぎに愛知の友人から久しぶりに連絡があり、今夜愛知を出て、新潟に向かう。アトリエに泊まれるか?
という電話だった。
アトリエが散らかっていると言うと、寝袋を持っていくので、寝るスペースがあれば良いというので、来てもらう事になった。
ギャラリーが終わって直ぐにアトリエに帰り、大掃除。
慣れというのは恐ろしく、普段自分以外に誰も入ってこないので、半ゴミ屋敷状態。
一階から、洗面所、台所と片付けて、掃除機を掛けて、水拭きをして、2階のアトリエがまた画材が散らかり、とても大変。
ご飯も食べずに、四時間掃除をしまくった。
朝になり、洗濯物を干していると、友人から電話があり、もう近所に来ているという。
取り敢えず今日は彼の行きたいところに行こうと考えていた。
猪苗代湖というので、妻の集めたドングリを持って行って良いかと聞くと、彼も奥さんからどんぐりを拾って熊にあげて来いと言われたらしい。
滅多にない、意見の一致である。
それで急遽予定が変わり、僕がよくキノコ採りに行く山に、ドングリを置きに行く事になった。
昨日は、この時期の新潟には貴重な、快晴だった。
風も無いし、山に登るには最高の天気。
ブナや、楓、コナラなど広葉樹が色付いて、陽光に照らされて、とても美しい。
友人は僕より体が大きいので、心強い。
以前登った時は、熊のフンが沢山あったが、この日は見当たらなかった。
僕はキノコが無いかとキョロキョロしていたが、友人は最初、熊の気配に意識を向けて、慎重な様子だ。
山の上まで行くと、熊の低い鳴き声が聞こえてきた。
そこから違う尾根に移り、コナラの木の下に、どんぐりを撒きながら、山を降りた。
結局キノコを採ることがなかったが、友人は変わった山の散歩に喜んでくれた。
友人の言うには、山にドングリが一つも落ちてなかった。
と言う事だった。
熊は一体何を食べているんだろうか?無事に冬を越せるのか?
心配になった。
色づくブナ