上野

先日、銀座に中平卓馬の写真展を観に行った時の事、会場に店員とたわいない話をしている人がいて、聞こえて来たのが「あのおっちゃんも、昔はもっととんがってたのに、今はつまんないなあ」と男の声で、中平卓馬の事を言っているだと思うが、店員に声を掛けていたて、店員が「あ〜そうなんですか?」と適当に合図値を打っていた。
展示を見終わりエレベーターに乗ろうとしたら、長髪でパーマの掛かった男が両手で激しく頭を掻いたあと、大きなため息を付いていた。
しゃべんなくて良いのに、店員と意味の無い会話をした自分が気に入らなかったんだろうか。

ふとその人をみると、現代アートのスター奈良美智だった。雲の上の存在だと思っていた人が見せた一瞬の表情に、親近感を抱いた。
青年のような心を持った繊細な人なんだろう。

ごりごりに灰汁が強かったり、強烈な個性がないと、トップアーティストに成れないのだろうかと、思っていたが、失礼な言い方かもしれないが、あんなに繊細でか弱い一面を見て、そうでは無いんだと思った良い経験だった。

写真は、桜の頃上野です。
花見で賑わっていた、中にさらに人だかりが出来ていて、何だろうと寄って行くと。寒い中不安定な木の枝に止まらされて、人に囲まれて、うんざりとした感じの猫ちゃんだった。

それを見てみんな喜んで写メをしていた。
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