猫のご縁

ぼくのパートナーは無類の猫好きで、二匹の猫を飼っている。
ここで、いろいろ具体的には言わないが、彼女のその猫達への愛情の掛け方は、半端じゃあ無い。


話はかわりまして、この間予備校の生徒さんに、猫の鳴きまねをしてくれと言われてやってみたんだけど、得意なはずの猫の鳴きまねが上手く出来ない。
そういえば、僕自身、最近猫に接する機会がほとんど無い。

おもえば4年程前に、以前お世話になっていたギャラリーの方に、「猫の写真を撮って欲しい」と依頼された事があった。
野良猫を見かけたら猫真似声を出して、知らない猫がきょろきょろして声の主を探すのが面白く、猫を見かけたらとりあえず猫真似声を発して反応を楽しむ、ひそかなゲームが自分の中で流行っていた。

そんな中近所にあった公団住宅が取り壊され、そこに取り残された猫達が死にそうで、はじめ一日置きだったが、その後毎日餌をやり続けるようになった。
3ヶ月程して、ある日見覚えのある一匹の子猫がぼくの家にやって来た。
自宅から歩いて30分程の距離で、途中交通量の多い国道と高速の高架下の道がある。
ペット禁止の賃貸住居だったが、その猫の決意に追い返す訳にいかず、その日からその猫との生活が始まった。

その当時は不思議な事もあるものだと、出会いに何かしらの運命的なものを感じたのだった。


つづく。

写真は原宿で撮影したものです。