続 猫のご縁

そのまま居着いた猫の名前をチビ黒と呼んで一年程、一緒に暮らしていたのだが、ある日帰ると車に轢かれて道路脇に倒れ、冷たくなっていた。


ぼくが夜帰ると一緒に散歩に出掛けて、チビ黒が得意げに木に登ったりと、チビ黒が元気だった当時の事を良く思い出す。
今でも頻繁に、裏の神社の近くに眠っているチビ黒の墓に行き、手を合わせている。
わざわざ僕を頼りに遠くから尋ねて来た、そのチビ黒の事が、只の動物の本能的な行為だとは思えなくて、実に不思議で、しかも自然な流れだったようにも思う。

そんなチビ黒が、僕の為にと世界一猫好きの彼女を紹介してくれたのではないだろうか、なんて思ったりもする。

あれ以来、最近はまるで猫との縁が無い。


写真は雨絵の下絵です、花、花、花です。