捨てられない

ぼくのパートナーは本当に必要な物しか所有しない。
彼女は整理の名人で家の中はいつもきれいで感心してしまう。

方やぼくは、絵や写真の材料として一見無駄な物迄所有してしまい、家に置き場所が無く溢れて、掃除する時など物を右から左へ移動して、また左から右へ移動してと奇麗にしてもすぐに散らかリ放題だ。物を探す時など何度も同じ所を掘り起こして探すのだが見つからなかったりと、実にイライラしてしまう。

それは、掃除の時に物が捨てられない事に原因がありそうだ。今日もお風呂に入った残り湯がまだ奇麗で暖かいのに捨てられなくて、風呂桶に溜まったままだ。
パートナーならためらわずに栓を抜いて湯を流すんだろうなと、ふと思った。

このまま僕が、独りで暮らし続けたら、きっとゴミ屋敷みたいになって、物が捨てられずに部屋から溢れて、建物には蔦が絡まって、世間から遠ざかってしまうのだろう。

なんとかパートナーから捨てられないようにしなくちゃあいけない。


ナデシコの花です。
荒れ地にけなげに咲いていました。一つ一つどの株を見ても、花が丸いものや、五角形のもの、桜のように五枚の花弁が独立しているもの、渦状に重なり合っているもの、花の先端の刻みが大きな物そうでないものと、形をとっても千差万別だ。それに模様や色の違いが加わり、無限の造形美を生み出しているのに気付きます。