霧吹きの利点

現代の陶芸家は、コンピューターで温度管理された電気の窯で、焼き物を焼いている。
昔はそれぞれ個人が、あるいは地域が独自の窯を制作して、
薪をくべて火を炊いて温度調節をして、焼き物を焼いていた。
何度かは失敗し、また偶然予想外の物が出来上る事もあり、苦労も感動も多かったに違いない。
今やっている雨の絵も、似たような所がある。
雨の質の違い、降り具合、絵への当て具合を丁寧に観察して制作をしている。
そんななか霧吹きを使う事がある。
利点は水滴が細かい事、水滴の量を調節し易い事、仕上がりが安定して予想し易いので、たまに使ったりする。
一昨日は明け方急に大雨が降り出した。
いい下絵が出来たので、この機会をと思い二枚の絵を雨に当ててみた。
ところがあまりの大雨に加減を誤り、二枚共に雨に打たせ過ぎて、インクが流れ出してしまった。
これで個展に出す作品も揃うかと思ったが、納得出来ずに未だに制作している。
明日は個展前日の、作品搬入だというのに自然が相手だと予定通りに行かない事がある。