何故伊豆で働く事になったのか? 2

そもそも何故ウェイターのアルバイトをはじめたのかと言いますと。
浪人時代に3浪して大学に落ちなんとかしなくてはと、アルバイトを捜しました。
そのとき配膳人紹介所というサービスマンの派遣業者があり、¥1,400と高額な時給で雇ってくれるのを知り、面接に伺いました。
仕事の内容は宴会スタッフという事で、主に結婚式場で料理の配膳を行うものでした。
他者にサービスをするなんて、自分に苦手な事だと知っていながらも、それも勉強になるだろうと働きました。
お客様とのコミュニケーション、同僚とのコミュニケーションもたまにズレたり、よくミスをして怒られました。
夏には軽井沢のホテルに一月住み込みで働き、多くの収入を得ました。
その年は秋から予備校に通い、再度大学受験をしましたが、またも受験に失敗し、春から別のホテルで配膳を続けました。


アルバイトをしながら勉強になったのが、需要と供給があり、お客さんが望む事にウェイターがサービスで答えるという単純な事でした。
ウェイターが良いサービスをしたいという思いが、決して素敵な事では無いとわかりました。
結局は受験も独りよがりな作品を造っていては駄目で、出題に対する大学側の要求する答えというのがあり、それを作品で表現すれば良いのだとようやく気が付きました。
その年友人に誘われて試験直前にデッサンをして、1次試験に合格し、二次試験はぶっつけ本番でしたが、友人と二人とも合格しました。
力まず変な思いを入れず、普通に作品の精度を上げる事を心掛けていたのを思い出します。


大学に入っても暫く配膳をしましたが、予備校の講師のアルバイトを誘われて、これまた自分には向いていないと知りながら、受験で苦労した経験を伝えられればと使って頂き、その後何年もお世話になる事になりました。
いつしかウェイターの事は頭から消えていました。

写真は伊豆に着いた初日、殺風景な部屋に荷物をおろして撮った一枚です。
伊豆での生活の始まりでした。