冬山登山2日目

朝、目が覚める。
テントの外はまだ暗い、麓のお寺の鐘の音が聞こえる。
時計を見ると5時。
冬の朝早く起きて、お勤めをされているご住職がいると思うと頭が下がる。
尿意を覚えて外に出て雪上に小便をする。
白い雪に鮮やかな黄色から、少し赤色が浮かびあがる。普段こんな鮮やかな色の尿をしてるんだと驚く。
再び寝て8時頃目が覚める。
陽が上り、小雪がパラパラ降っていて、陽の光を受けてキラキラ輝いて美しい。
雪上のテントの撤収に手間取り、10時過ぎに出発する。
一面樹木と白い世界で道など無い。
地形図を頼りに進んで、少し登ると違う風景が広がり、素晴らしさに感動する。
雪に埋まりながら、一歩一歩、新たな景色が見たくて、次のピークを目指して足を運ぶ。
努力した分だけ新しい世界が広がるなんて、人生と同じだなんて思ったりする。
途中尾根に出て尾根沿いを歩いて、1時半頃に登頂予定が2時にようやくたどり着く。
山頂は360度眺めが素晴らしく、五頭山の山並みが一望出来る。
一時間程休み、ご飯を食べて、コーヒーを飲んで、雪を溶かして水を造り水筒に入れて、準備万端。
登って来た尾根と別の尾根を歩くルートには、既にスノーシューの跡が付いている。
真っ白な雪を歩きたくて、山を下りて沢沿いの登山道のルートにする事にする。
地形図をよく見ると、谷沿いの道に山崩れの跡が記されていて、雪崩の心配もある。
がなんとかなるだろうと、どんどん下って行く。