先週は大量の不良を生産したが、今週の初めから状況が好転した。
月曜日の一周目の休みの時に、リーダーの要請でエンジニアが除電エヤガンを交換してくれた。
結果は明らかで、次の週から不良の数が激減し安定した。
リーダーもホッとしたようだった。
水曜日にへまをやらかした。
新しいエアガンが愛おしくて、昼休みに休ませようと電源ボタンを切った。
そのまま除電のスイッチを入れ忘れてエアブローをして、終了間際に電源が消えているのに気が付いて、慌ててスイッチを入れたが、もう遅かった。
恐る恐るモニターを見ると、また大量の不良が出ていた。
同僚もモニターを見ながらどうしたもんかといった様子だったが、本当の事などとても言えなかった。
とりあえずリーダーには事実を話した。
その日はアホな自分に反省して、ビールを飲んで寝た。
木曜から心を入れ替えて取り組み、金曜日の出勤は長い連休の前で、みんながんばった。
僕自身も半分力を抜いてやったら、今迄で一番いい成績だった。
仕事を終え、外へ出ると爽やかな風が吹いて、朝の空は気持ち良く晴れていた。
家に帰らずに工場の裏山を再び散歩した。
気になる小道を進んで行くと小さな祠があり、おぼろげに昔来た事があるような気がした。
