子供創造センターでは、新潟絵屋の方と、子供創造センターの所長さんと、担当の方とで
お話をした。
所長さんは以前、雨の絵のイベントの時にもお会いした事があり、和やかにミーティングが始まった。
僕はまずなぜ、この「転がして作品を作る」という事になったかを説明した。
そのあと、実際に試した作品を見せて、作業がいかに地味で、子供達が積極的に制作してくれるか不安だと話した。
それを聞いて他の方の反応は、そうですかじゃあどうしましょうか、他にいいアイデアはありますか、ということになるのを想像したが、実際は違った。
僕が持って行った、何だこれみたいな図像を見て、面白がってくれて、この図像は何を転がしたのか?と聞かれたりした。
新潟絵屋との企画の大切な事は、アーティストと一緒に絵画の制作を体験する事にある。
普段接することの無い、山口達己というアーティストと、実際に触れ合いながらモノづくりをする事に意味がある。
と所長さんが話してくれた。
なるほど、そういう風に言われるとしょうがない、この「転がしアート」で頑張る事にした。
どんなふうに子供たちと制作をしようか、制作の流れをどうしようか、施設にどんな備品があるのか、など、当日の制作に即した具体的な話が出された。
まず大きな画面にみんなで絵を描く。
次にパネルの表面と裏面に紙を貼り、裏表に作品を作ってもらう。
制作した絵は、パネルごと持ち帰ってもらう。
転がすものは施設でも用意をするが、みんなに持ってきてもらう。
など、意見が出た。
画面を坂にして転がすのではなく、転がる物が画面からはみ出ないように、画面の周りに囲いを作って、画面を手前、奥、右、左に傾けて、転がる物が自由に転がれるようにする。というお話も聞けた。
そう言われれば、今まで画面を壁に立て掛けて傾斜を作り、坂の上から転がり落ちるという発想しかなかった事に気がついて、新鮮だった。
最後に日取りを8月11日山の日と決めて、それまでの大まかスケジュールが知らされた。
帰り道、しょうがないなあ、頑張るか。
とあまり乗り気になれない自分に言い聞かせた。
チラシに載せるための画像が必要で、何枚かコロコロで絵を描いた。
今度は画面に囲いを作り、画面上を自由に転がしてみた。
ちょっとずつ工夫したつもりだったが、作品に大きく変化が現れず、相変わらず地味で、この行為は本当に楽しいの?と思いながらの作業だった。
その後も続けたが、作業がつまらなかったので、つい逃げ道を探してしまった。
ナンシー、グレーブスという作家がいる、英語で書かれた画集を持っているのだが、彼女の作品が好きだ。
英語なので、どうやって作ったかはわからないが、多分草木や果物など、自然物に色を付けて、紙の上に並べ、プレス機でプレスして、自然物の形を紙に写しとる、といったところだと思う。
プレス機を触る機会が今迄ないが、いつかやってみたいと思っていた。
ナンシーグレーブスの画集と、何枚か作ったものを持って、絵屋に行った。
それらを担当の方に見てもらい、コロコロの絵を描く行為がいかに地味かと、その行為を面白そうだと想像するのと、実際にやってみるのと違うんだと、わかってもらおうと訴えた。
その方は、コロコロの絵は面白いと思う。ただ山口さんが乗り気じゃないのが気になる。といってくれた。
子供創造センターにプレス機があるか、センターの方に聞いてみたいということで、絵屋さんがコンタクトを取ってくれて、その日の午後に子供創造センターに行ってみた。
子供創造センターの方にも会い、いかにこのコロコロの行為が地味か、子供たちは着いて来れるのか?途中で飽きちゃわないかと、またまた愚痴った。
そのあとナンシーグレーブスの画集を見せて、プレス機があるか聞いてみた。
小さなプレス機があり、これは使えますかねと見せてくれた。
プレス面の最大サイズがB3サイズくらいの小さな物で、今売られているプレス機の中で、最も安くて簡素な物に見受けられるが、使えなくは無いと思った。
子供想像センターの方は、「コロコロの絵は、面白いと思うけどなあ」と言ってくれた。
子供達と作品を作る事に経験豊富な、その人が言うんだから、悪いアイデアでは無いんだろうなと思った。
ナンシーグレーブスの作品も面白いけど、プレスするのに待ち時間が出来てしまう。
とも話してくれた。
確かに短時間のイベントだと、待ち時間は無い方が良いだろうと思った。
その日家に帰って、子供想像センターの方に、今日は愚痴ってすいませんでした。
コロコロの絵で頑張ります。というメールを送った。
またまた続きです
2回で終わる予定だったんですが、
すいません。