冬の光

連日晴れの日が続いている。空気が乾いていて湿度が16%だそうだ。

夕方近所の何も無い広場に行くと、だだっ広い野原に何本もの杭が刺さっていた。
また道路か何か作るのだろうか。
何も無い、ただの空き地って言うのが魅力なのだが、役人や土木業者はそんな場所を見逃さない。
危険だの汚いなんだのと、整地したがる。
雑草の生い茂る荒れ地を整えたと、いい事をしたつもりなのだろう。
役人だって人間だ、仲の良い業者に仕事を分け与えれば、あの人は面倒見が良いと尊敬される。どうせ皆の税金なんだから痛くも痒くもない。
土木業者は一仕事を終えると、また次の事業をさがさなければ食って行けない。
そんな都市の郊外に整理された道路が出来て、そこにニュータウンが現れ、ショッピングセンターが出来る。そして経済の拠点が郊外へと移る。
結果都市中心部は空洞化が起きる。
その反面経済的な効果の低い過疎地はどんどん見放されて、住人の高齢化が進み、やがて自然と共に消えていくのだろう。

実家に帰って昔賑やかだった町並みが、今は寂れているのに驚かされる。
密集していた家々が、空き家が目立ち

歯抜けになっていた。街の高齢化が進み家主が亡くなってしまったのだろう。
やがて辺りは緑に帰り豊かな自然が蘇る。
それもおもしろい。

なんてあれこれ空想しながら散歩をした。
冬の冷たい光が美しかった。