木枯らしが吹く

新潟は昨日から大風が吹いて、大荒れの天気。

気温もぐんと下がって、今日は一日中曇って、時々雨。

冬型の天気がやってきた。

太平洋側は晴天なんだろうなと想像すると、羨ましい。

 

猫を飼っている。

そのネコが高齢で、しかもグルメなので、食べ物の好き嫌いが激しい。

妻はいろんな猫缶を出すが、食べない時があり、それらは廃棄してしまう。

今年の冬は大雪で、カラスはどうやって餌を探すんだろうと心配になり、

近所の緑地にその餌を置いていたことがある。

カラスは餌を待っていて、僕を見ると飛んできたりした。

僕はカラスを見てもどのカラスかわからないのに、カラスは他の人間と僕を区別するなんて、とても賢い生き物だ。

その餌やりが夏前まで続いて、ある日行くと野良ネコが待っていて、餌をくれと催促された。

その日を境にカラスの餌やりは止めた。

 

もう半月も前の事だろうか、朝からカラスの鳴き声が騒々しい。

一匹のカラスが家の屋根の上で、散々に騒いでいる。

どうやら餌をくれと言っているようだ。

でもまた餌やりが復活するのも面倒な事だと、騒いだら餌をやる習慣も良くないことだと、要求を無視する。

その後も大声で鳴きながら、とたん屋根をどんどん鳴らして飛んだりして、

「そこにいるのはわかってるんだぞ、餌をくれ」

と怖いくらいに鳴いている。

それでも無視してしまった。

 

1時間ぐらい経っただろうか、家の反対側の屋根に行き、一階のヒサシに飛び移り何かをし始めた。

これはまずいと急いで洗面所へ行ったが、もう遅かった。

そこにあるはずのアシナガバチの巣は無くなっていた。

脇の道路でカラスが巣をメチャクチャに壊して、首を傾げてこちらを見ていた。

 

とても賢い生き物だ。

僕らが時々アシナガバチの巣を観察していたのを知っていたのだろうか。

餌をあげれば良かったと思ったが遅かった。

あれだけ鳴き続けるのには、何か理由があったからだろうに。

 

その後巣のあった軒下を眺めると、何匹もアシナガバチがやって来ては、あるはずの巣がそこに無くて、飛び去っては次の蜂がやって来てを繰り返していた。

次第にその数も減っていった。

 

家族の一員のように思い、観察していたので残念だ。

我が家を失った蜂たちは何処へ飛んでいったのだろうか。

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雲の間から点す一瞬の光