伊豆の思いで2

2階の部屋はフローリングで広くて、テレビと、大きなデスクと電子レンジがあった。
早速部屋から廊下、階段と拭き掃除をして、快適になった。


仕事は朝はバイキング、セッティングをして減った料理を厨房に声を掛けて、取に行ったり、客が食べ終わったお盆を片付けて、食べ残しと紙ゴミと、ナイフフォークなどシルバー類、食器別に仕分け、ワゴン一杯になったら洗い場へ持って行く。
昼は決まったランチメニューからオーダーを取り、厨房へ声をかける。飲み物のオーダーは自分で用意する。広いフロアーを行ったり来たりして、料理を運んだり帰、片付けたり、忙しい。
夜は懐石のコース。一月でメニューが入れ替わる。
ここの懐石が美味しいらしく、毎月何度も訪れるお客もいる。
懐石は順番に料理を出すから、厨房に次の料理をオーダーするタイミングが難しい。食事が早い人もいればなかなか食べない人もいる。
ちょっとしたゲーム感覚だ。


シフトはその日によって違い、ある日は10時出勤でランチを働いて2時に上がる。遅いお昼を食べて一眠りして、また5時に出勤して懐石。夜9時に終わる。
次の日は朝出勤。6時出勤だと5時前に起きて、ランチ迄続けて働いたりする。その間軽く休む程度でほとんど立ちっぱなしで働く。
夜だけの日もある。そんな時に昼間はノンビリ過ごせる。
でも生活のリズムが不規則なのは身体に良くない。初めの頃は便秘気味になったりした。
でも働いて疲れるので眠れない事は無かった。
仕事が終わった後、ホテルの温泉に入れるのが良かった。露天風呂もあるし、サウナもあった。
それが体力的にも精神的にもどんなに身体を癒してくれたかわからない。のんびりとお湯に浸かり、とにかく幸せだった。
お風呂には体重計があり、毎日体重を量っていた。
12時間働いた時などはちゃんと体重が減っているので面白かった。
ホテルに来た時に67kgだった体重が終わり頃には61、9kg迄減っていた。

宅急便で絵の具を送ってもらい、たまに絵を制作していた。