この工場へ働きに来た頃、更衣室で服を着替えていると声を掛けてくれる人が居ました。
「寒いですねー」
など当たり障りの無い会話だったのですが、その人が昔遇った事のある人に感じが似てるなと思ったのですが、他人のそら似だったり、世の中にはそっくりな人が三人は居る
とかいう話もあるので、気にしないようにしていました。
それが従業員数が500人以上は居るだろう、この会社の中でその後もバッタリとその人と度々遇う事があり、「良い車に乗ってますね。」
なんて声を掛けられ、不思議な気がしていました。
よくよく思い出すとその昔遇った事が在るというのが、学生時代埼玉に住んで居た頃に越後湯沢のホテルで夏の一月アルバイトをしたことがあり、その時にホテルの社員だった人でした。
そんな人がまさか愛知県の豊田市の外れの、トヨタの下請け会社の工場働いているとは想像付かなくて、不思議な感覚でした。
それから暫くして、また遇った時に「埼玉出身ですか?」なんて聞かれて、ぼくは「岡崎市出身です」と、とっさの答えてしまい、彼が残念そうな表情をして、別れた直後に
これは間違いなくその人だと直感しました。
もう遇わないかもしれないと思ったのですが、暫くしてまたバッタリ遇ったので、「越後湯沢のホテルで働いてました?」と聞くとやはりその人で、飲む機会をつくり、
昨日飲んで20年以上前から、これ迄お互いがたどった経緯などを話し合いました。
神様のイタズラでしょうか、とても不思議なご縁です。